#2 新内節の鶴賀若狭掾師匠に聞く

神楽坂の路地やお店で、新内節の名曲を演じるのは、人間国宝の鶴賀若狭掾師匠の社中。1年目からイベントの大事な役割を果たしてきた師匠に、神楽坂と新内節のお話を伺いました。

―新内節というとすぐ「新内流し」という人が多いですが?

私たちの年代は、新内節というとどうしても門付けして歩く芸能として低俗なものとみられがちでした。本来新内節は、座敷浄瑠璃です。流しではありません。流しはあくまでも営業形態であったのです。だから私は、マスコミに対しても新内節イコール流しという既成概念を否定しようとしてきました。

―神楽坂には新内節の芸人さんが多かったのですか?

この話(「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」のこと)が来た時に、私はそれでも若い人たちが新内節にふれられる機会になるのであれば、流しであってもお引き受けしていいと思ったのです。神楽坂には、かつて新内節の芸人さんがたくさんいたのに、最近、新内節はだいぶ下火になってきて、伝承の危機だからです。少しでも宣伝普及のためになるのなら、やってもいいと。ただボクはもうこの年だから、もう流しをやるのはおかしいでしょう? それで鶴賀伊勢吉(写真)たちに任せているのです。いまの若い人たちに新内流しといってもわからないものね。

神楽坂楽座小

―東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が決まって、日本文化が注目されていますが。

神楽坂って芸能のまちだから、こうした伝統芸能の大きなイベントをやってくれると、随分と宣伝普及につながります。神楽坂だけの小さな問題じゃなくて、広く伝統芸能をめざす若い人たちにも刺激になって、いいチャンスをつくることになりますね。それが東京オリンピック・パラリンピックに向けて神楽坂から発信していくのは、実にいいことです。

―伝統文化は後継者不足と言われていますが。

ボクは、伝統工芸の審査委員をしていますが、芸能だけじゃない、どの分野でもいまは後継者不足で本当に困っています。漆芸、染色、仏像修復など後継者が激減しています。たとえば、漆を採る木に傷をつけるその金具をつくる鍛冶職人は、もう一人しかいない。漆を塗る刷毛をつくるのは、人間の毛髪ですが、海に潜る海女さんの髪が油がぬけていて最適なのですが、そういう文化を伝承していく後継者がもういない。

―当イベントを神楽坂らしい文化イベントに育てていきたいのですが。

こうした時代に、こういうイベントやってくれるのは実にありがたいものです。聞けば、八王子でも昨年から伝統芸能のイベントが始まったそうですね。もっともっと広まるといい。チャンスだと思う。本当に神楽坂は恵まれています。坂と路地が入り組んでいて、素晴らしい情緒がまちのいたるところに残されている。そこを舞台にしてやるのだから、とっても贅沢なイベントといえます。ぜひ、まちの情緒と一緒に味わってほしいものです。

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